バックアップ力

IKARI curve

バックアップ力の物理学

デバイスを押す力(F)の支点は、対側の大動脈である。
垂直成分Fcosθ が十分に大きくなるとカテーテルは上方向に外れる。
Fcosθ が小さければカテは抜けない。すなわち角度θが90度が最もバックアップが強い。

Judkins L をTRI(A)で用いた時と、TFI(B)で用いた時。同じカテーテルでありながら、TRIで使用した時のほうが大動脈と作る角度θが小さくなるため、Judkins LはTRIではバックアップ力が弱い。
Ikari et al. J Invasive Cardiol 2005 ;17:636-41

Deep engage(カテを深く入れる操作)はバックアップを強くするといわれてきた。その理由は、カテーテルの先端の位置というよりも、カテーテルと大動脈の作る角度がより大きくなるためである。
Ikari et al. J Invasive Cardiol 2005 ;17:636-41

カテーテルと大動脈の間の摩擦力もバックアップ力に寄与する。
Ikari et al. J Invasive Cardiol 2005 ;17:636-41

カテーテルサイズは太いほどバックアップ力が強い。

バックアップ力のメカニズム

カテーテルサイズ(太いほど強い)
カテーテル形状
・カテーテルと大動脈の角度
・カテーテルと大動脈の摩擦力

Judkins LのTFI(中)と比較してもIkari L(右)のTRIのバックアップ力は強い。したがって、Ikari Lを使えば、TFIを行う理由はない。