6年前に狭心症にて2枝バイパスを受けた症例。グラフトは、LITA-LADとSV-CX。
最近狭心症が再発した。
冠動脈造影では、SV-CXのグラフトが変性しており、この狭窄によるものと考えた。
静脈グラフトと大動脈の吻合部は比較的高い位置である。
若い術者は、Amplatz Lを選択した。
6Fr AL1 は、静脈グラフトに挿入でき、造影は可能であった。
ところが、ガイドワイヤーを通過させただけで、ガイディングは外れてしまい、その後のPCIは続けられなくなった。
アドバイスを求められた伊苅医師はIkari Lを使うよう示唆した。
6Fr IL4.0は、静脈グラフトにエンゲージでき、その後はバックアップ力が強く、びくともしなかった。
Amplatzの時には、ガイドワイヤーのみで外れたにもかかわらず、Ikari Lではフィルターを通過させても安定していた。
高い位置に吻合された静脈グラフトは、右橈骨動脈アプローチではガイディングが合いにくいことがある。
本例でもAmplatz Lで不成功であったのを、Ikari Lに変更しただけで、成功させることができた。
Ikari Lは高い位置の静脈グラフトに有効である。