症例6ー右冠動脈左冠尖起始/50代男性

Case

糖尿病性腎症により5年前に透析導入。
数か月前から、労作時に狭心症が起こり、最近は透析後半に胸痛が起こるため、透析が十分行えなくなり紹介となった。
冠動脈造影では、右冠動脈の慢性完全閉塞であった。
そして、その右冠動脈は左冠尖起始異常であった。
他院でPCIを試みるも不成功のため紹介。

右冠動脈左冠尖起始

非常に強い石灰化を伴う
透析例の慢性完全閉塞
透析例のため大腿動脈アプローチ
7F Ikari L4.0を選択

Power position

本起始異常では、通常ガイドカテーテルを挿入するのも困難であるが、Ikari Lでは挿入も用意であり、Power positionも簡単に作ることができる。
Power positionにてCTO病変にConquest proワイヤーを通過させた。

強い石灰化病変のため、バルーンは通過せず、5FのST01を子カテとして使用し、さらにPower positionとして、ようやくバルーンが通過した。

カテーテルを押したり、ひいたりするだけで、Power positionとNormal positionに簡単で形を変形できる。

最終造影

まとめ

右冠動脈左冠尖起始異常のため、他院で不成功に終わった症例に対し、Ikari Lを用い、PCIに成功した。
この起始異常に対し、Ikari Lは挿入も容易であり、またPower positionを作るのも容易であり、有効なガイディングカテーテルであると考えられる。